令和 4年 12月 定例会(第409号) 令和四年十二月七日(水曜日)午前十時零分 開議議事日程第三号 令和四年十二月七日(水曜日)午前十時開議第一 議第百二十七号 令和四年度山形県
一般会計補正予算(第五号)第二 議第百二十八号 令和四年度山形県
土地取得事業特別会計補正予算(第一号)第三 議第百二十九号 令和四年度山形県
港湾整備事業特別会計補正予算(第二号)第四 議第百三十号 令和四年度山形県
流域下水道事業会計補正予算(第一号)第五 議第百三十一号 令和四年度山形県
電気事業会計補正予算(第一号)第六 議第百三十二号 令和四年度山形県
工業用水道事業会計補正予算(第二号)第七 議第百三十三号 令和四年度山形県
水道用水供給事業会計補正予算(第二号)第八 議第百三十四号 令和四年度山形県
病院事業会計補正予算(第二号)第九 議第百三十五号 山形県特別職の職員の給与等の支給に関する条例の一部を改正する条例の制定について第十 議第百三十六号 山形県職員等の給与に関する条例等の一部を改正する条例の設定について第十一 議第百三十七号 山形県職員の定年等に関する条例の一部を改正する等の条例の設定について第十二 議第百三十八号 個人情報の保護に関する法律施行条例の設定について第十三 議第百三十九号 山形県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例の制定について第十四 議第百四十号 山形県個人番号の利用に関する条例の一部を改正する条例の制定について第十五 議第百四十一号
都市計画街路事業(単独)に要する費用の一部負担について第十六 議第百四十二号 下水道事業(単独)に要する費用の一部負担について第十七 議第百四十三号 道路事業(単独)に要する費用の一部負担について第十八 議第百四十四号 急
傾斜地崩壊対策事業(単独)に要する費用の一部負担について第十九 議第百四十五号
一般県道余目松山線道路施設長寿命化対策事業庄内橋桁製作架設工事請負契約の締結について第二十 議第百四十六号 当せん金付証票の発売について第二十一 議第百四十七号
山形県立自然博物園の指定管理者の指定について第二十二 議第百四十八号 山形県志津野営場の指定管理者の指定について第二十三 議第百四十九号 悠創の丘の指定管理者の指定について第二十四 議第百五十号 第一
酒田プレジャーボートスポット等の指定管理者の指定について第二十五 議第百五十一号 山形県酒田海洋センターの指定管理者の指定について第二十六 議第百五十二号 加茂港緑地等の指定管理者の指定について第二十七 議第百五十三号 山形県飯豊少年自然の家の指定管理者の指定について第二十八 議第百五十四号 山形県体育館及び山形県武道館の指定管理者の指定について第二十九 議第百五十五号 医療事故に係る損害賠償の和解についての専決処分の承認について第三十 議第百五十六号 山形県公害審査会委員の任命について第三十一 県政一般に関する質問本日の会議に付した事件 議事日程第三号に同じ。出席議員(三十九名) 二番 梅津庸成議員 三番 今野美奈子議員 四番 菊池大二郎議員 六番 高橋 淳議員 七番 遠藤寛明議員 八番 相田光照議員 九番 遠藤和典議員 十番 梶原宗明議員 十一番 関 徹議員 十二番 山科朝則議員 十三番 菊池文昭議員 十四番 松田敏男議員 十五番 青木彰榮議員 十六番 青柳安展議員 十七番 五十嵐智洋議員 十八番 柴田正人議員 十九番 渋間佳寿美議員二十一番 矢吹栄修議員二十二番 小松伸也議員二十三番 渡辺ゆり子議員二十四番 石黒 覚議員二十五番 吉村和武議員二十六番 高橋啓介議員二十七番 島津良平議員二十八番 加賀正和議員二十九番 森谷仙一郎議員 三十番 鈴木 孝議員三十一番 楳津博士議員三十二番 奥山誠治議員三十三番 小野幸作議員三十四番 木村忠三議員三十五番 金澤忠一議員三十六番 伊藤重成議員三十七番 舩山現人議員三十八番 田澤伸一議員三十九番 森田 廣議員 四十番 坂本貴美雄議員四十一番 星川純一議員四十二番 志田英紀議員欠員(四名) 説明のため出席した者知事 吉村美栄子君副知事 平山雅之君企業管理者 沼澤好徳君病院事業管理者 大澤賢史君総務部長 小林剛也君みらい企画創造部長
岡本泰輔君防災くらし安心部長 奥山
賢君環境エネルギー部長 安孫子義浩君しあわせ子育て応援部長 布川理枝子君健康福祉部長 堀井洋幸君産業労働部長 我妻 悟君
観光文化スポーツ部長 西澤恵子君農林水産部長 地主 徹君県土整備部長 小林 寛君会計管理者 佐藤紀子君財政課長 相田健一君教育長 高橋広樹君
公安委員会委員長 吉田眞一郎君警察本部長 丸山彰久君代表監査委員 松田義彦君
人事委員会委員長 安孫子俊彦君
人事委員会事務局長 大場秀樹君
労働委員会事務局長 富樫健治君 午前十時零分 開議
○議長(坂本貴美雄議員) これより本日の会議を開きます。
△日程第一議第百二十七号議案から日程第三十議第百五十六号議案まで及び日程第三十一県政一般に関する質問
○議長(坂本貴美雄議員) 直ちに日程に入ります。 日程第一議第百二十七号令和四年度山形県
一般会計補正予算第五号から、日程第三十議第百五十六号山形県公害審査会委員の任命についてまでの三十案件を一括議題に供し、これら案件に対する質疑と、日程第三十一県政一般に関する質問を併せ行います。 質疑及び質問の通告がありますので、通告順により発言を許可いたします。 九番遠藤和典議員。
◆9番(遠藤和典議員) おはようございます。遠藤和典でございます。当選以来四回目の一般質問となります。 まずもって、二〇二〇年春以来、
新型コロナウイルス感染症対策に御尽力されています医療従事者皆様、関係者皆様に深く感謝の意を表させていただきます。 現時点では、ようやく様々な場面でコロナ前と変わらぬ状況になってきたと思っておりますけれども、マスク着用に代表される生活様式は続いていると認識をいたします。県民・国民皆様の一時的な生活様式の変化なのか、コロナ禍を契機とする新生活様式の定着なのか見極めながら、施策展開を進めていかなければならない課題が多いと思います。 さきの六月定例会後実施されました
参議院議員通常選挙や常日頃の活動を通じて多くの県民皆様の貴重な御意見に接する機会がありました。県民皆様の声を大事にしながら、この機会をいただきました自由民主党会派の皆様に感謝申し上げ、質問に入ります。 昨今、急激な円安が進行しております。昨年の今日、十二月七日の米ドル対円相場は百十三円五十銭、昨日の同相場は百三十六円九十三銭、一年で実に二〇・六四%の円安であります。十月下旬の百五十円台に比べれば一息ついたという感はありますけれども、大幅な円安と言えると思います。この事象に対し各メディアからは、「円安で大変だ」「日本が安くなった」とのネガティブ、マイナスの報道が目につきます。実際に円安による影響は、輸入品価格全般の高騰、エネルギー価格の高騰、物価上昇などに表れていると認識をいたします。 一方で、マイナスがあればプラスもあります。輸出関連企業は企業業績が伸びるでしょうし、インバウンド需要も望めます。マイナス面だけでなくプラスの側面を我々地方に及ぼすこと、それも直接的に及ぼす提案をいたします。 顕著にプラスと考えるのが、政府が持つ
外国為替資金特別会計、いわゆる外為特会における円安に伴う差益であると考えます。現在、外為特会で保有するドル資金は対米ドル九十円台、百円台の際のものであり、昨今の為替介入百四十五円、百五十円での介入、覆面介入に使用され、差益が生じております。一説では四十兆円に迫る差益が出ているとする論者もいらっしゃいます。 そこで、この外為特会における差益を輸入原材料、輸入品、生活必需品、エネルギー価格の高騰に苦しむ地方及び地方住民の生活改善に活用すべきではないでしょうか。現在の差益はもとより、今後も発生が予想される外為特会における差益を機動的に、適宜に地方公共団体及び地方活性化・地方創生に活用できる仕組みを地方公共団体として政府への施策提案なり全国知事会なりで提案、声を上げてみてはいかがでしょうか、総務部長に御見解を問います。 さてそこで、「円安の 効果地方に 還元を 埋蔵金に 再び光」「円安の 効果地方に 還元を 埋蔵金に 再び光」と考えますがいかがでしょうか。 次、「都市部に供給されているきれいな空気・水は地方がつくっている。都市部住民は地方に配慮すべきではないか」という議論がかつてあったやに記憶しております。原発事故の後も、「都市部のエネルギーは地方がつくっている」との言説もありました。一方で、都市部での税収が地方で使われているのではないかという議論もありました。これらの都市部対地方という構図の根本には、富の偏在、税収の偏在があると考えます。 税収偏在のならし方として、この後、財源の垂直調整であります地方交付税について質問させていただきますが、まずは財源の水平調整法について御提案を申し上げます。 二〇二二年九月二十二日、東京証券取引所では、経済産業省からの委託事業として試行取引を行うカーボン・クレジット市場の実証を開始いたしました。
二酸化炭素排出量取引がいよいよ本格化してきたと考えます。 県は、これまでもCO2削減量を
J-クレジット制度を活用し販売、一定の成果を上げていると認識をします。この取組は、購入希望者を募集し、相対取引で価格の決定がなされているわけですが、この取組を一層深化させ、販売量、販売価格ともに上昇させるべきではないでしょうか。 そこで、クレジット市場は、今、実証実験段階です。この機会に、一つ、自治体を主体として市場に参加可能とすること、二つ、企業でなく自治体が販売するクレジットにはプレミアム分を上乗せして通常より高値で販売可能とする仕組みの構築などを全国知事会なりを通じて経済産業省に提案してみてはいかがでしょうか。
地方自治体プレミアム上乗せ分つきクレジットを購入した企業としては、一つ、地方自治体を応援しているということを明確にできる、二つ、当該自治体から地方に理解がある企業として公表してもらえる、などのメリットが考えられます。 現在実施中の事業を相対取引から市場へ移行させることでより効果が望めるのではないかと考えますが、
環境エネルギー部長いかがでしょうか。 さてそこで、「相対を 市場に移行 提案も 試行期間が モノ言うチャンス」「相対を 市場に移行 提案も 試行期間が モノ言うチャンス」と考えますがいかがでしょうか。 次、本年九月二十二日
付NHKニュースサイト記事より。「政府 マイナンバーカードの普及状況 交付金配分に反映方針」との見出しで、「来年度、新たに設ける『
デジタル田園都市国家構想交付金』の配分に、自治体ごとのカードの普及状況を反映させる方針を固めました。」とありました。また、同記事で、「来年度の地方交付税の算定にもカードの交付率を反映させる方針で、普及に取り組む自治体を後押ししたい考えです。」との方針も記事として示されています。 「おいおいおい、ちょっと待った」との感想であります。交付金にマイナカードの普及率をリンクさせることにも異論がありますし、いわんや地方交付税をやというところです。 地方交付税は、関係するいかなる書物をひもときましても地方固有の財源であることが共通認識であると考えます。マイナカードの普及という政策誘導の道具として地方交付税を用いることの是非について及び交付金の配分方法についても、総務部長に県としての御見解、政府への対応についてお伺いいたします。 次、初当選直後の二〇一九年九月定例会一般質問にて、私は「一億円の税収増を達成しても、その七五%が基準財政収入額に算定されるため交付税が減り、財政効果は二千五百万円になります」と、何の疑問もなく〇・七五という現行係数を前提に質問しておりました。残りの〇・二五部分、いわゆる留保財源について県の見解を問います。 この留保財源、標準的な税収入に対する基準財政収入額に算入されない割合と私は理解しておりますが、交付税制度創設時では市町村分で〇・三、都道府県分は〇・二でありました。現在〇・二五となっています。 端的に問います。この数字は、今現在の我が県にとって、そして将来の我が県にとって妥当なのでしょうか。 一般的に、税収が好調で自助努力に自信がある自治体は留保財源率、高いほうがいいでしょう。一方で、財政力が弱い自治体は留保財源率を低くし、交付税の財源調整機能に期待すると考えます。また、留保財源率の変動は交付税総額には影響しません。交付税総額というパイをどう分け合うかという議論だと考えます。 県の御見解を総務部長にお尋ねいたします。 さてそこで、「将来に 安心生むの どちらかな 留保財源 見解いかに」「将来に 安心生むの どちらかな 留保財源 見解いかに」と考えますがいかがでしょうか。 次、
基準財政需要額算定に当たっては、皆様御案内のとおり、算定項目と測定単位が関係しています。算定項目には警察費、土木費などが並ぶとともに、令和四年度においては、地域の元気創造事業費、
地域デジタル社会推進費など政策誘導的な算定項目が四つ見受けられます。そうなんです、項目を追加することによって配分額を変えることが可能なのであります。この前提に基づいて、我が県に有利な配分が可能になるよう算定項目の追加を地方交付税法第十七条の四「交付税の額の算定方法に関する意見の申出」制度を活用し提案してみてはいかがでしょうか。 具体的に提案いたします。脱炭素推進費もしくは温暖化防止推進費などとして基準財政需要額の算定項目に追加し、測定単位を森林面積やCO2の吸収量とすれば、山だらけ、森林面積が多い我が県に多くの配分が見込めるのではないでしょうか、御見解を総務部長にお伺いいたします。 次、水素について。昨年来、水素エネルギーの活用について、複数回の質問機会において提言してまいりました。さきの九月定例会でも奥山議員より利活用の提言がありました。皆様の御理解も進んでいるものと捉えております。 以前の質問機会にも提言いたしましたが、「卵が先か鶏が先か」、
FCV燃料電池車普及に向けては
水素ステーションの設置が先であります。現在研究が進んでいる水素エンジン車についても同様です。供給元がなければ普及しません。 県民皆様の水素エネルギーへの理解促進に向けて来年度予算への
水素ステーション設置に係る予算計上を求めますが、
環境エネルギー部長、いかがでしょうか。 次、八月三十日付読売新聞記事より。「脱炭素へ水素輸送網を構築、受け入れ港を複数整備へ…現在は神戸港のみ」との報道がありました。国は、来年度改定する予定とされる海洋基本計画に水素の安定確保に向けた海上輸送網構築を記載する考えであると認識しています。今年六月、予算特別委員会の質疑の際にも触れましたが、ブルー水素輸送の実証実験成功を受けて、全国各地にブルー水素輸入港の整備方針を固めたものと考えます。 昨年の予算特別委員会では、水素での発電需要を見越して、電気事業会計の現金預金を活用して水素関連設備の整備を提言しておりますが、水素の供給活用に向けた大きな流れを受けて、我が県酒田港もいち早く受入れ港へ向けて声を上げていくべきと考えますが、県土整備部長の御見解を問います。 さてそこで、「酒田から 供給される 脱炭素 今こそ声を 未来に向けて」「酒田から 供給される 脱炭素 今こそ声を 未来に向けて」と考えますがいかがでしょうか。 次、さきの十月閉会中決算審査、文教公安分科会にて、島津委員、山科委員より今年の国体成績の不振を受けてそれぞれ質疑がありました。両議員と問題意識を共有するとともに、両議員に敬意を表しながら、私からも質問させていただきます。 今年の国体、第七十七回国民体育大会、天皇杯順位は四十位、平成四年のべにばな国体以降でワースト二位の成績でありました。これまでの二十位台、三十位台の成績が四十位という結果に、
スポーツ関係者皆様から御心配の声をいただきました。加えて中学校、中体連東北総体での成績もいま一つ振るわず、先々への悲観の声もいただきました。 そこで教育長に三点お尋ねいたします。 一点目、成績不振への要因については文教公安分科会での質疑応答がありましたので、不振という事実への認識と来年度以降に向けた中長期の改善策についていかがお考えでしょうか。令和六年から国民体育大会の名称が
国民スポーツ大会に変更になり、加えて十年後には二巡目が終わり、三巡目をどうするか、今、在り方を含めて検討が始まっていると認識しております。この三巡目に向けて、県として三巡目の早い時期に
国民スポーツ大会の誘致を考えているのか否か、いかがお考えでしょうか。 二点目、人口減少に伴い、様々な競技において競技人口の減少が危惧されております。現在、国においては、学校部活動の地域移行が検討・実施されようとしていると認識しております。これを好機と捉えて、生徒・学生が
地域スポーツクラブを主体に多様なスポーツへチャレンジする機会を増やし、競技人口の底上げを期待してみてはいかがでしょうか、御認識を問います。 三点目、べにばな国体から約三十年、当時現役選手として活躍され、その後指導者として後進の指導に当たってこられた方々も、それぞれ三十年経過いたしました。次の世代の指導者育成という課題にどう向き合っていくお考えなのか、お伺いいたします。 それぞれのスポーツ、競技力向上のためには、選手の育成、指導者の育成、競技施設のハード整備、いずれも重要と考えます。 さてそこで、「スポーツが 元気な県を もう一度 選手活躍 県民笑顔」「スポーツが 元気な県を もう一度 選手活躍 県民笑顔」と考えますがいかがでしょうか。 次、九月補正予算にて、ポストコロナに向けたインバウンド誘客の推進として一億二百五十万円の予算を議決いたしました。事業内容は、
海外現地プロモーション事業、
海外現地旅行会社招請事業、
インバウンド旅行商品造成支援事業であります。これはこれで御期待申し上げるところではありますが、アフターコロナを背景とした世界の潮流は個人旅行にトレンドが変わってきているのではないかと考えます。
BtoB--ビジネス・ツー・ビジネス、企業体から企業体へから、
BtoC--ビジネス・ツー・コンシューマー、企業体から直接消費者への感覚が増加していると認識しております。 今回のこれらの補正予算事業はBtoBの範疇にあるものではないでしょうか。今後、円安を背景に本格的にインバウンドの回復が見込まれる中で、個人旅行への対応が求められると考えます。行政が対応可能な
ダイレクトマーケティング手法及び観光の
プロフェッショナル人材の育成、行政への関わりについてどのような認識でしょうか。 本日は本会議場での一般質問ですので、他県の成功事例、参考事例にはあえて触れません。ただ、旅行業界では成功しているとされる他県の事例やほかの事例が複数あります。他県との情報共有の在り方を含めて
観光文化スポーツ部長に御所見を伺います。 さてそこで、「消費者へ 直接届く 情報を 団体向けを 個人に向けて」「消費者へ 直接届く 情報を 団体向けを 個人に向けて」と考えますがいかがでしょうか。 次、県は、令和三年三月、第三次山形県
森林整備長期計画・やまがた
森林ノミクス加速化ビジョンを策定し、令和十二年までの十年間の取組内容を明らかにしております。結構なことだと評価するものであります。 一方で、
加速化ビジョン策定から約半年後の令和三年十月一日に、これまでの公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が名称ともに改正され、新たに「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」、長いので通称「都市(まち)の木造化推進法」と呼ばれている法律が施行されました。 この法改正の最大の特徴は、脱炭素社会の実現を法の目的として明確に位置づけ、木材利用促進の対象をこれまでの公共建築物から一般建築物へ拡大したことにあると認識しております。新たに創設された国や地方公共団体と事業者などによる協定制度を用いて民間一般建築物への木材利用を促進することができます。これは先進地の例としてですけれども、福井県と福井県経済団体連合会、大分県と大分銀行などなどであります。 現時点で、東北でこの協定締結された自治体はないと認識しております。ゼロカーボンやまがた二〇五〇を宣言した我が県として、この法改正への速やかな対応が求められると考えます。 そこで農林水産部長に二つお尋ねいたします。 一つ目、加速化ビジョンの三ページ目に「本ビジョンの計画期間は、令和三年度から令和十二年度までの十年間とします。なお、森林・林業・木材産業を巡る情勢の変化に柔軟に対応して施策を展開するため、必要に応じて見直し・改定を行うものとします。」との一文があります。今回の法改正は情勢の変化に当たると私は思いますが、見直し改定の考えはないのでしょうか。 二つ目、創設された
建築物木材利用促進協定を東北でいち早く利用すべきと考えますが、御所見を伺います。 さてそこで、「民間の 物件気(木)になる 法改正 迅速対応 森に活力」「民間の 物件気(木)になる 法改正 迅速対応 森に活力」と考えますがいかがでしょうか。 以上、壇上での質問を終わります。
○議長(坂本貴美雄議員) この場合、答弁を求めます。 答弁の順は私から指名します。 小林総務部長。
◎総務部長(小林剛也君) 遠藤議員から私に四問質問がございましたので順次お答え申し上げます。 一問目、円安効果の地方財政への波及についてお答え申し上げます。 議員から御紹介のありました
外国為替資金特別会計、いわゆる外為特会についてですが、これは、外国為替相場を安定させるため財務省が設けた特別会計となっております。為替相場は、基本的には各国の経済状況等を反映し、市場において決定されるものですが、短期間のうちに大きく変動するなど不安定な動きを示すことは望ましくないことから、政府において為替介入を行う場合がございます。外為特会では主に外貨資産を管理しており、例えば、円相場が急落した際には外貨資産を為替市場で売却する等の介入が実施されるところでございます。 十一月十八日に財務省から公表されました外国為替平衡操作の実施状況によりますと、政府において九月二十二日に円買いドル売りの介入を行っており、為替差益が発生しているということは承知してございます。しかしながら、国会での岸田総理大臣の答弁や松野官房長官の記者会見でもありましたとおり、外為特会が保有する外貨資産は将来の介入等に備え保有しているものであり、経済対策の財源の確保のために用いることは適切でないとの認識が示されているところでございます。 今後も、国会等においてこのような為替介入に伴う差益の活用の可能性について議論がなされていくものと思われますが、県としては、まずはその動向を注視してまいりたいと思っております。 なお、急激な円安やウクライナ危機によって物価高騰があるところでございますけれども、政府は、
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の中にコロナ禍における原油価格・物価高騰対応分及び電力・ガス・
食料品等価格高騰重点支援地方交付金というものを設けてございます。本県には、一点目のコロナ禍における原油価格・物価高騰対応分というのが約五十五・六億円配分されてございます。また、二点目の電力・ガス・
食料品等価格高騰重点支援地方交付金が約五十億円配分されております。合計で約百五・六億円配分されておりまして、本定例会おいても、この財源を使った様々な事業を提案させていただいているところでございます。 県としましては、今後とも全国知事会等の機会を捉えて、これら交付金の追加配分をはじめ財源措置の拡充等について要望等を行い、それらを積極的に活用することで、物価高騰といった諸課題への対応と持続可能な財政運営の両立に努めてまいりたいと思います。 二問目でございます。政策目的に地方交付税を用いることの是非についてという御質問がございました。 まず、マイナンバーカードの交付率と普通交付税との関係でございますけれども、本年六月のデジタル田園都市国家構想基本方針において、二〇二三年度から地域のデジタル化に係る財政需要の算定にマイナンバーカードの交付率を反映することについて検討するとされております。また、
デジタル田園都市国家構想交付金もございまして、これについても、その申請要件とか採択時の加点要素といたしまして、マイナンバーカードの交付率を一部活用するということが既に決定しているところでございます。 全国知事会では、こうした政府の動きに対し、地方の意見を十分に踏まえた制度設計を行うべきという提言をしておりまして、県としても、引き続き知事会などを通じて必要な意見を政府に伝えてまいりたいと思っております。 他方、県では、Yamagata 幸せデジタル化構想実現及び加速に向けまして、マイナンバーカードの普及促進は重要であると考えており、普及率向上に努めてきたところでございます。 本県全体の交付率でございますが、昨年十一月は三四・九%でありました。本年十月は四九・一%ということで、一四ポイントほど上昇してございます。全国平均は五一・一%ですので、二ポイントほど及ばないところでありますが、この一年間の伸び率というところを見ますと、本県は全国六位の高さとなっているところでございます。こうした高い伸び率を支えてきたのは、県内各市町村及び住民の皆様の御努力であると考えております。 例えば、西川町と飯豊町は交付率は六〇%を超えています。さらに、県内十二の市町村が既にマイナンバーカードの交付率全国平均を超えているところでございます。これら交付率の高い市町村での取組をちょっと分析してみますと、休日や夜間申請窓口の開設を行ったりとか、公民館などにおける出張申請受付の機会を数多く設けていらっしゃいます。県としても、今年度予算において、複数の市町村が連携して大規模商業施設等で出張申請受付を行う場の提供とか、マイナンバーカードを利用した住民票等のコンビニ交付サービス導入に対する補助制度、こういったものでしっかりとサポートさせていただいているところでございます。 県財政に責任を持つ立場から申し上げれば、交付率を政策誘導に使うことの是非という議員御指摘の論点、これも重要なことだと思っておりますが、普及に向け実際に御努力されてきた市町村及び住民の皆様のために、また県財政のためにも、マイナンバーカードの交付率を高めて、交付税や交付金を少しでも多く獲得できるように努めることも重要ではないかと考えております。 Yamagata 幸せデジタル化構想では、デジタル技術が得意な方も苦手な方も誰一人取り残さない社会の構築を目指しております。この観点から申し上げますと、本年五月に導入した交通系ICカード「チェリカ」でございますけど、これと同様、マイナンバーカードを申請することで、スマホをお持ちでない高齢者などの方でも各種行政サービスやキャッシュレス決済、これはマイナンバーカードを申請するとマイナポイントをもらえますので、スマホを持っていなくてもポイントの活用が可能となってまいります。こういったことで、デジタル社会の様々な恩恵を、苦手な方も得意な方も受けられるようにしたいというふうに考えています。 県としましては、市町村などの関係者と連携しながら、マイナンバーカードの普及拡大に向けて引き続き取り組んでまいります。 三番目の御質問でございます。基準財政収入額の算定係数の妥当性という御質問でございました。 普通交付税でございますけれども、各地方団体における基準財政需要額から基準財政収入額を差し引いた額となりますが、この基準財政収入額については、議員御指摘のとおり、原則として地方税等の七五%が算定されることとなっております。残りの二五%については普通交付税の算定には用いられない、言ってみれば、各自治体が自由に使うことのできるいわゆる留保財源となります。 この留保財源の割合、留保財源率でございますけれども、平成十五年度に見直しがございまして、都道府県の税収確保のインセンティブの強化及び財源保障範囲の縮小を図り、都道府県が自らの責任と財源で対応すべき部分を拡大させるという趣旨で、二〇%から二五%に引き上げられたところでございます。 そもそも地方交付税の総額は、国税五税の一定割合を基本としながら、地方財政全体の標準的な歳入、歳出の見積りに基づいて、全国のマクロベースで決定されます。したがいまして、議員御指摘のとおり、留保財源率の見直しは交付税総額には影響しません。一方で、平成十五年度の留保財源率の引上げ時におきましては、基準財政収入額の減少による各県配分額が大きく増減しないように、基準財政需要額の算定の見直しも併せて行われましたので、留保財源率の見直しが山形県にとって有利だったか不利だったかといったところは判然としないところがございます。また、これは原理的なところでございますけれども、年度によって、そのときの税収が好調のときは留保財源は高いほうが有利である一方で、不況のときは留保財源が低いほうが有利になるということで、本県にとって望ましい留保財源率というものは一義的には決定できないものと考えています。 なお、地方交付税制度の中で、地方税収の一定割合を普通交付税の算定に用いないとする留保財源の制度趣旨は幾つかありますけれども、その一つとして、先ほど申し上げたように、地方団体の自助努力によって地方税収が増えた場合、その地方団体で自由に使える一般財源が増えるようにするといった制度趣旨もございます。これを踏まえますと、県としては、地方交付税について、全国総額の安定的な確保及び適切な配分といったことは政府に引き続き働きかけていく一方で、より中長期的な本県の発展を考えますと、留保財源率の水準や交付税総額の毎年の規模がいかなるものであれ、県としてしっかりと自主財源を確保していくということが最も重要なことではないかと考えています。 今後とも、スタートアップも含めた産業振興、また農林水産業の振興等による県内経済の成長、それを通じた県民所得の向上と、それを通じてまた県税収入が上がるといった好循環を生み出して、本県の未来に投資することができる、言わば原資を一円でも多く稼ぎながら、持続可能な財政運営を図ってまいりたいと思っています。 四問目でございます。基準財政需要額に対し、森林に関する算定項目の追加という論点でございます。 普通交付税の基準財政需要額は、各地方団体の財政需要を合理的に測定することを目的として、自然的・地理的・社会的諸条件に対応する妥当な水準で計算されています。 議員から御提案のありました脱炭素推進や温暖化防止の推進に係る項目については、日本全体でパリ協定の枠組みの下における温室効果ガスの排出削減目標等を図る必要がある中で、森林整備等に係る経費が見込まれるという観点から、基準財政需要額の趣旨に合致するものと考えています。 ただ、しかしながら、本県の民有林は全国でいうと二十四番目でございますので、この算定単位に森林面積を使うアドバンテージというのはなかなか見いだしにくいものがあると考えております。国有林を加えますと本県の森林は全国八位となります。しかしながら、基準財政需要ということからいいますと、国有林は林野庁が管理しているものですから、地方団体の需要には当たらないということで、交付税算定の対象に使うことは難しいものではないかと考えています。 ただし、やまがた森林ノミクスを推進していく立場から、森林が多いという本県の特徴を生かして、交付税に限らず、外部資金を獲得していくことは極めて重要と考えています。 例えば、他県では、企業版ふるさと納税を活用した例として、本州最大の湿原を持つ尾瀬がある群馬県では、同地区のトイレ整備や県民を対象とした環境保全に関する講座開催のプロジェクトに対して、平成二十九年度から令和元年度にかけて約一億二千万円の寄附を集めていたりするところでございます。 県としては、近年、社会的課題の解決への取組が企業価値を高める中で、森林を活用して、ふるさと納税などを活用しながら、本県の外部資金獲得等も含めしっかりと取り組んでまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。
○議長(坂本貴美雄議員) 安孫子
環境エネルギー部長。
◎
環境エネルギー部長(安孫子義浩君) 私には二問御質問をいただきましたので順次お答え申し上げたいと思います。 まず、財源の水平調整に向けたカーボン・クレジット市場への参加についてでございます。 J-クレジットにつきましては、再生可能エネルギーの利用による二酸化炭素の排出削減量や適切な森林管理による二酸化炭素吸収量等の環境価値をクレジットとして政府が認証する制度でありまして、認証されたクレジットは、相対取引や入札により売買が可能となっております。本県では、平成二十八年度から、県民や事業者が設置しました太陽光発電設備等による二酸化炭素の排出削減量を集約しましてクレジットとして販売しておりまして、本県にゆかりのある企業を中心に購入をいただいているところであります。 販売につきましては相対取引により行っておりまして、数多くの企業から支援いただくため購入数量の上限を設けたり、転売目的の企業を除外するなどの条件をつけまして公募して、価格競争を行って販売収入の確保を図っておるところであります。今年度は、認証量をCO2換算で昨年度から千九トン増やしまして、四千五十五トンのクレジットを販売することとしておりまして、十一月二十八日から購入者の募集を開始しております。 これまでの収益につきましては、累計約二千三百万円になっておりまして、若者向けの環境SDGsワークショップの開催支援やカーボンニュートラルにつながる活動に取り組む高校生・大学生などへの活動費補助など、二〇五〇年の山形県を担う世代を巻き込んだ県の環境保全事業に活用しております。 購入された企業では、本県の環境保全の取組を応援している企業であるということを自らで宣言したり、事業活動の電力を再エネ由来電力で全て賄うRE一〇〇の電力調達量の報告などに活用しております。また、県としましても、購入企業名をホームページで紹介し、本県を応援している企業としてPRしているところであります。 こうした中、政府は、企業が国際的に通用する炭素削減価値を持つクレジットを国内で調達できる市場の創設を目的に、カーボン・クレジット市場の実証事業としまして、東京証券取引所においてJ-クレジットを対象とした試行取引を今年九月から開始いたしました。 このカーボン・クレジット市場には、民間企業のほか地方公共団体も参加することが可能とされておるわけですけれども、全国的に取引相手を増やせるものと期待はされております。一方で、本県のJ-クレジット販売に対しましては、現在も多くの企業から購入の申込みをいただいていることや、市場では相対取引のような独自の条件を自由に付することは難しいということもありまして、市場で取引するメリットは、現時点ではまだ少し低いものと認識しておりますけれども、県としましては、政府の実証事業の動向を注視するとともに、県のJ-クレジットの取引量が大幅に増加する場合につきましては、市場活用も有効な手段となりますので、効果的な市場の活用について勉強してまいりたいと考えております。 続きまして二問目でございます。
水素ステーションの設置普及についてお答えいたします。 水素は、利用時に二酸化炭素を排出しないエネルギーであり、発電分野をはじめ運輸部門や産業部門、家庭部門等で幅広い利用が期待されるカーボンニュートラルの実現に向けたキーテクノロジーであることから、水素の利活用につきましては、本県における温室効果ガス排出量の低減、それから水素関連産業の振興につながるものと考えております。 そのため、令和五年度の山形県エネルギー戦略後期エネルギー政策推進プログラムの見直しにおきまして、水素の製造、貯蔵、運搬、利活用等本県における水素の位置づけについて議論して、水素社会の実現に向けた戦略を策定したいと考えております。 この水素社会実現に向けましては、水素に関する理解促進と利活用の機運醸成を図る必要があると考えており、再エネ電力の貯蔵や合成燃料の製造といった水素の新たな可能性をはじめ、家庭や事業所における燃料電池いわゆるエネファームとか、燃料電池自動車いわゆるFCV等、水素の利活用について県民や事業者に広く普及啓発するセミナーやシンポジウムを継続して開催していきたいと考えております。 こうした中で、社会実装が全国的に進みつつある運輸部門から県内への水素エネルギーを導入するため、
水素ステーション導入に関する勉強会の開催をはじめ、事業者が行う
水素ステーションの導入可能性調査や、その整備費に対する補助について検討しているところであります。 また、産業労働部と連携しながら、水素の利活用及び関連産業への参入に向けた業界動向・技術情報の収集と県内企業への情報提供をはじめ、水素関連設備の技術勉強会や燃料電池自動車の基幹部品構造セミナーなどの開催を検討しております。 さらに、県土整備部と連携しながら、酒田港におけるカーボンニュートラルポートの形成を目指して、水素の輸送、製造、貯蔵、利活用などについて議論していきたいと考えております。 県としましては、県内における水素利活用の機運を醸成するとともに、
水素ステーションをはじめとした水素エネルギーの導入を促進するなど、水素社会の実現に向けた取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○議長(坂本貴美雄議員) 西澤
観光文化スポーツ部長。
◎
観光文化スポーツ部長(西澤恵子君) 私から観光振興への取組についてお答え申し上げます。 旅行ニーズの変化に伴い個人旅行化が進んでおり、こうした流れはポストコロナに向けてさらに進展するものと捉えております。 このような中で、旅行会社を利用した訪日団体旅行につきましては、欧米等の富裕層が好むオーダーメード型や、台湾・ASEAN等からのリピーター層に一定の需要があることから、引き続き取り組んでいく必要があると考えておりますが、一方で、今後は、増加が見込まれる個人旅行に対応したプロモーションや、上質なおもてなしのための人材育成など受入れ態勢の整備が一層重要になってくるものと考えております。 多様化する個人旅行者に向けては、それぞれのニーズを把握し、場面に応じて必要な情報が届く仕組みをつくっていくことが重要であり、このため、デジタルマーケティングによる分析の下に、より関心の高い特集記事や動画の配信など、ターゲットに合わせたプロモーションに取り組んでいるところです。 本県への訪問が最も多い台湾を例に挙げますと、現地での利用者が多いフェイスブックやLINEにおいてフォロワーの属性や嗜好を分析し、雪や温泉、ウオーキング、グランピング、フルーツ狩りなど、現地に訴求力のあるコンテンツで本県の魅力を発信するほか、現地旅行博への出展やインフルエンサーの活用など、様々なチャネルを利用して情報発信を行っております。加えて、台湾では旅行の予約をオンラインで行う割合が増えておりますので、本県のプロモーションサイトや広告に関心を持った方がストレスなく旅行商品販売サイトに移動できるようなシステムとして、利便性の向上を図っております。 また、旅行者に本県の持つ魅力や価値への理解を深めてもらい、満足度の向上やリピーター化につなげていくためには、山形ならではの文化やストーリーを伝えることのできる観光人材の育成が重要であることから、今年度は、先駆的な取組を行っている専門家を招請し、地域事業者等とともに観光コンテンツづくりなど実践的な取組を通した人材育成を進めております。さらに、DMO等においても、地域の魅力を伝えることができる英語ガイドの育成や外国人観光客と住民との交流の取組が始まっているところです。 県としましては、こうした地域の関係団体等とも連携して、旅行者のニーズや動向を的確に把握しながら、全国の先進事例も参考に、一層進む個人旅行者の誘客拡大にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(坂本貴美雄議員) 地主農林水産部長。
◎農林水産部長(地主徹君) やまがた
森林ノミクス加速化ビジョンの深化についてお答えいたします。 このビジョンは、昨今の社会情勢の変化に対応した本県の森林・林業・木材産業の将来の目指すべき姿と方向性を示す計画として令和三年三月に策定したものです。 初めに、令和三年十月に改正法が施行された通称「都市(まち)の木造化推進法」を受けての本ビジョンの見直し・改定についてですが、本ビジョンでは、県産木材の利用促進に向け、低層の公共施設について原則木造化し、木造化が困難な施設は内装の木質化を図ることとしており、民間施設についてもこれに準じた取組を進めていくこととしております。 こうした公共施設に加え、民間施設の木造化・木質化を促進していくという方向性は、法律改正の趣旨と合致していることから、県としましては、引き続き現行ビジョンに基づき各種施策に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、今回の法律改正で創設された
建築物木材利用促進協定制度についてですが、本協定は、建築主となる事業者等が、自らの建築物における木材利用の構想を実現するため、政府や地方公共団体に申し入れることで連携して木材利用の促進に取り組むことを目的としています。 協定を締結した事業者等のメリットとしては、政府や地方公共団体のホームページでの公表やメディアに取り上げられること等により、社会的認知度に加え、環境意識の高い事業者としての社会的評価が向上するとともに、政府や地方公共団体による財政的支援を受けられる可能性が高まることなどが挙げられます。この協定は、政府において八件、全国の地方公共団体で四十件締結されており、その内容は、「木造・木質化に関わる技術開発の推進」「木造建築物の設計・施工に係る人材育成」などとなっています。 県内では、今年九月に県建設業協会米沢支部米沢部会、米沢木材製材組合等六団体が米沢市と協定を締結し、協働・連携して民間施設の建築主に対し地元産木材を利用するよう働きかけを行うこととしたと伺っております。 現在、県におきましては、多くの事業者が
建築物木材利用促進協定の相談や申入れを行いやすいように、県ホームページにおいて手続方法を公表し、協定締結の取組を促進しております。また、公共・民間施設の木造化・木質化の推進に向けて、中・大規模施設の建築物の木造設計ができる人材の育成を進めることが重要であるため、建築設計関係団体や木材関係団体と県との間で早期の協定締結に向けた協議を進めているところです。 県としましては、県産木材の利用促進を図るとともに、都市(まち)の木造化推進法に基づく新たな協定制度を積極的に活用しながら、林業と木材産業の有機的な連関を強める取組を進め、やまがた森林ノミクスを発展、加速させてまいります。
○議長(坂本貴美雄議員) 小林県土整備部長。
◎県土整備部長(小林寛君) 水素輸入港についてお答え申し上げます。 水素エネルギーにつきましては、令和三年十月に閣議決定された第六次エネルギー基本計画において、水素の年間供給量を現在の約二百万トンから二〇五〇年に二千万トンに増やすとともに、コストについては、長期的に化石燃料と同程度の水準まで低減させることを目指すとされております。水素を大量、安定、安価に供給するためには、海外からの輸入や国内の輸送網をどう構築するかが重要であると認識しております。 水素の海上輸送網につきましては、政府の総合海洋政策本部において、次期海洋基本計画の改定に向け検討がなされております。本年七月に、外部の有識者から成る参与会議において、重点的に取り組むべき施策の一つとして「水素・燃料アンモニア等の『燃料・資源の海上輸送網の構築』に向けた技術開発、大規模実証等を図っていくべき」との提言がなされたところでございます。今後は、政府においてこの提言を参考としながら、様々な検討が進められていくものと考えております。 一方、酒田港の取組につきましては、現在、酒田港におけるカーボンニュートラルポートの形成を目指し、カーボンニュートラルポート形成計画の策定に向けた取組を進めております。カーボンニュートラルポート形成計画は、港湾地域の面的・効率的な脱炭素に向けた取組と、水素や燃料アンモニア等の需要量を踏まえた輸送や製造、貯蔵、利用に必要な港湾施設の整備について計画するものでございます。 計画策定に向け、本年十月七日には、学識経験者、港湾関連事業者、関係企業、国土交通省、関係市町及び県の関係部局から成る協議会を組織いたしました。今後、温室効果ガスの削減目標と削減計画を設定するためのCO2排出量の推計や、水素、燃料アンモニア等の供給目標、供給計画を設定するための需要量の推計等に関する基礎調査を行い、協議会で検討を進めてまいります。 県としましては、政府の動向も注視しながら、環境エネルギー部をはじめとする関係部局や地元市町と連携し、酒田港のカーボンニュートラルポート形成計画の策定に向けた議論の中で、水素、燃料アンモニア等の輸送や製造、貯蔵、利用といった酒田港に求められる役割を整理・検討してまいります。
○議長(坂本貴美雄議員) 高橋教育長。
◎教育長(高橋広樹君) 私にはスポーツ振興の今後について御質問をいただきました。 本県スポーツについて、中長期的な視点に立って振興を図るためには、競技力の向上を図ることや、より多くの県民がスポーツに親しみ取り組む環境づくりを進めることなど、様々なポイントがあるものと考えております。 競技力について継続的に向上を図っていくためには、指導者の育成・確保が重要なことから、優秀な指導者による各種強化事業に若手指導者を積極的に帯同させ、そのノウハウをしっかりと継承させるとともに、リモートの活用等により、国内有数の指導者から優れた指導技術を学ぶ機会について一層の充実を図ってまいります。 また、平昌オリンピック・スピードスケート競技において五位入賞を果たした山形中央高校出身のウイリアムソン師円選手が県内企業に就職し、本県で指導者としての道を歩むことになりました。このように本県ゆかりのトップアスリートが県内で指導者として活躍できるよう、引き続き、山形県企業スポーツ振興協議会等を通じて企業と連携を図りながら、指導者の確保に努めてまいります。 さらに、選手の指導につきましては、リモートを活用し、国内外の優れた指導者からアドバイス等を受ける機会を一層拡充するとともに、ICTを活用した戦力の分析や戦術の研究に取り組み、その結果を踏まえ、県外等への遠征に際しましては、レベルアップや弱点克服につながる対戦相手との合同練習や試合を重点的に実施するなど、様々な工夫を凝らしながら、効率的・効果的な競技力の向上に努めてまいります。 次に、より多くの県民がスポーツに親しみ取り組む環境づくりを進める上で、部活動の地域移行は大きな役割を果たすものと考えております。 部活動の地域移行は、少子化が進む中で、生徒にとって望ましいスポーツ環境の構築と教員の働き方改革の推進を目的としたものですが、単に部活動を地域に移行するだけでなく、地域の実情に応じて地域スポーツの在り方を見直し、地域住民が将来にわたり持続的にスポーツに親しめる環境づくりを目指した取組であると捉えております。 部活動の地域移行により、教員に代わる指導者等が必要となり、地域移行の受皿として
地域スポーツクラブの充実等も図られることが期待されますので、部活動の地域移行が本県スポーツの底上げにつながるよう、市町村や関係団体と連携しながらしっかりと取り組んでまいります。 また、若い才能の発掘・育成につきましては、現在取り組んでおりますYAMAGATAドリームキッズ事業において、小学三・四年生から有望な児童生徒を選抜し、五年をかけて競技適性を見極め、競技団体と連携しながら効果的な強化策を実施することにより、これまで年代別日本代表十四名を輩出する等成果を上げております。 今後につきましても、競技ごとに強化拠点を指定し、中高生を一堂に集め重点的かつ一貫性のある指導を行うなど、
地域スポーツクラブ等とも連携を深めながら、ジュニア期からの競技力向上を図ってまいります。 国体を本県で開催することは、国内トップアスリートの活躍に間近に触れることで、感動や驚きとともに県民のスポーツへの関心を高め、さらなる選手の育成や競技力の向上、指導者の養成につながり、本県スポーツの振興に大きく寄与するものと考えます。 国体は、令和十七年から三巡目となりますが、現在、日本スポーツ協会において、複数都道府県による広域開催や大会規模の見直し等について検討がなされていると聞いております。本県への誘致等につきましては、国体の開催がスポーツのみならず本県の活性化に大きく寄与することを念頭に置き、日本スポーツ協会の検討状況も注視しながら、しかるべく検討してまいりたいというふうに考えております。 今年の国体においては、出場した本県選手は、郷土の誇りを胸に最後まで全力を尽くしてくれましたが、目標には遠い結果となってしまいました。現在、各競技団体とのヒアリングを実施しており、今後、課題等の分析を行い、改善策等をしっかりと検討してまいります。 スポーツにおいて、勝利や記録を目指しひたむきに努力する姿は、人々に感動と勇気をもたらすとともに、諦めない心、挑戦する心など、子供たちが人生を力強く歩んでいく上で必要な力を与えてくれます。県教育委員会といたしましては、ただいま申し上げました様々な取組を通しまして「力強いスポーツ山形」の実現を図ってまいります。
○議長(坂本貴美雄議員) この場合、休憩いたします。 午前十一時十五分再開いたします。 午前十一時三分 休憩 午前十一時十五分 開議
○議長(坂本貴美雄議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑及び質問を続行いたします。 二番梅津庸成議員。
◆2番(梅津庸成議員) おはようございます。県政クラブの梅津庸成です。本日は私にとって二度目の一般質問となります。県民の安心安全に関する事項等県政の在り方、令和五年度予算案策定に向けた各種施策の在り方について質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 新型コロナウイルス感染症は、国内蔓延発生から二年半が経過した今も、いまだ終息を見せていません。感染者が十一月二十二日、過去最多の二千二百七人となり、十一月三十日に吉村知事は第八波に突入したとの認識を示しました。九月十五日に発表方法を変えて以来、統計上は全国で若干の減少をした感がありますが、山形県は十万人当たりの感染者数が全国で四位という高い位置にあり、議会でもお話を伺った森兼啓太山形大学医学部附属病院教授によれば、この理由として、陽性者健康フォローアップセンターにしっかり登録する真面目な県民性や、寒くなったことによる部屋の換気の不十分さの二つを理由として挙げています。 感染の勢いは止まりませんが、症状については軽症や無症状者が多いとの報告がなされています。現在の山形県における感染者の累計は、十一月二十八日に十六万人を超え、死者は二百五十人を超えています。 感染者、感染経験者が増える中で心配されているのが、コロナの罹患後症状、いわゆる後遺症の問題であります。中には、感染三か月後に後遺症が現れたという方もいると報道されています。こうした後遺症への対応については、県は早期から着目し、六月に感染者の罹患後の症状調査が行われ、結果が発表されました。倦怠感、せき、呼吸困難などの症状があること、四十代が多いが、性別には大きな偏りはなく、罹患時の症状の軽重にかかわらず罹患後の症状が発生していること、罹患後症状を有する人のうち約半数がワクチンを打っていないことなどが公表されています。 その後、さらに罹患者が増え、六月三十日の罹患者累計が三万五百十九人でしたから、現在は五倍以上の罹患者がいるという状況になっています。こうしたことを踏まえ、県として、十一月七日から二十四日の間、オミクロン株に係る後遺症調査として再調査を行ったと伺っております。その結果については、今後の県としての対応をどうするのかを検討する上で非常に重要なものと考えます。 この調査については、年内をめどに取りまとめるということでありますが、後遺症に悩んでいる方々は、できるだけ早くその結果を知りたいところであり、現時点でどのような進捗状況となっているのか、また、県としてこれまでも後遺症対応のコールセンターの設置や対応するクリニック等を指定し後遺症への対応を行っていると認識していますが、このたびの調査の結果を今後の施策にどう反映していくことを考えているのか、健康福祉部長にお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症への対策として、ワクチン接種の重要性は論をまちません。重症化を低減する効果があることは知られていますが、その結果として、医療崩壊を回避し、社会生活の維持を図ることができています。クラスターの発生により予定手術等が一部で延期されており、医療機関の機能確保は、社会生活を維持する上で極めて重要です。 一方で、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に際して、副反応の内容については、接種者にあらかじめ示され、実際の接種により多くの方が経験しているところでありますが、全国ではアナフィラキシーショックなど重篤な副反応がある方がおられます。 国においては、厚生科学審議会の副反応検討部会と薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会の合同会議が十一月十一日に開催され、三回目接種については、ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチン接種後の事例として、それぞれ千九百六十二件、九百三十四件の副反応疑い報告、医療機関報告があり、頻度はそれぞれ〇・〇〇四〇%、〇・〇〇二八%。三回目接種は一回目、二回目接種後の頻度より低い傾向にあるとされています。 一方、先日、愛知県の接種会場で五分後にアナフィラキシーが発生し、そのまま搬送され死亡した例が報道されるなど、発生する可能性は極めて少ないことは分かっていても、こうした報道によりワクチン接種を控えることにつながるのではないかと危惧します。 そうした状況を少なくするためには、適切な情報公開が必要であり、また、発生した場合の万全の措置を取ることが重要と考えますが、山形県における新型コロナウイルスワクチン接種によりアナフィラキシー等重篤な副反応及び後遺症を訴えている方の数、そして症例について県としてどう捉えているのか、また、発生した場合にどのような医療的対応をする体制となっているのか、健康福祉部長にお伺いいたします。 次に、大人のひきこもりについてお伺いいたします。 本件については、二〇一九年六月定例会において、原田和広議員から、川崎市における二十人殺傷事件や元農林水産事務次官の長男刺殺事件を引き合いに質問がなされておりました。その後、新型コロナウイルス感染症の蔓延による外出制限などを要因とする大きな社会情勢の変化があり、こうした変化が中高年世代の働く世代にも影響を及ぼしてきているのではないかと懸念する声があります。 ひきこもりの状況については、内閣府の調査によれば、二〇一八年度の満四十歳から六十四歳までを対象とする実態調査で、出現率は一・四五%で、推計六十一万三千人がひきこもりとして存在するとのことであります。二〇一五年度の調査では、対象は十五歳から三十九歳までとなっておりますが、五十四万一千人と推計されておりました。 山形県においては、中高年に限った調査ではなく、困難を有する若者等に関する調査として、二〇一三年、二〇一八年にひきこもりに関する実態調査がなされており、その中で中高年世代のひきこもりについても明らかになってまいりました。二〇一八年の山形県の調査によれば、ひきこもり全体の総数が千四百二十九人で、四十代以上の総数が七百五十八人、四十代が二六・三%、五十代が一六・七%、六十代が一〇%と、四十代以上のひきこもりが五三%と半数を超えることが分かってきています。また、対象者は市部より町村部の割合が高くなってきております。 ひきこもりの状況は、新型コロナウイルス感染症での外出制限などを踏まえると、実数としても、全体に占める割合としても、ますます増加してきていると考えられますが、本県における調査について、令和五年度当初予算要求概要において、しあわせ子育て応援部の要求として、困難を有する若者等の実態に関する全県調査の要求が出ておりますが、中高年のひきこもりの実態をしっかりと捉える内容の調査を行うべきと考えます。 まず、この点についての県としてのお考えを健康福祉部長にお伺いいたします。 その上で、大人のひきこもりへの対応についてお伺いいたします。 ひきこもりの親の会の皆様とお話をする機会がありました。それぞれの御家族からお話をお伺いしましたが、原因は分からず、各人の態様も十人十色で一様ではありませんでした。一方で、成人し自立したはずの子供がどうしてそうなってしまったのか、自分たち親のせいなのかと悩み、苦しむ。そして、どうやったらその状況から子供を抜け出させられるのか、わらをもつかむ思いでいる姿を拝見しました。県の相談窓口があり、そこからつながれた部署に相談しても、大人のひきこもりゆえに病院での診察へも連れていくことができず、結局は徒労に終わる。そうした状況が生じています。こうした状況についてお話を伺い、全国各地における事例の蓄積を行った上で親や子供たちへのオーダーメード型のアドバイスを行い、的確に対応することが必要であること、また、親自身に対するメンタルケアを行うなど、一人一人に寄り添いながら対応する必要性を感じ取ってきたところです。 現状では、県の事業として各所へつなぐ相談窓口があり、相談窓口からつながれた保健所等において個別の対応をしていただいていると承知していますが、必ずしも効果が現れているとは言えません。 全国各地の事例の蓄積と親子へのオーダーメード型のアドバイスを行うことのできる専任の保健師の増強、大人のひきこもりに特化したセミナーの開催など、より具体的な内容を持つ実効的な事業を行うべきと考えますが、県としての姿勢と具体的対応について健康福祉部長の御見解をお伺いします。 先般、親の会に担当課長が足を運ばれたと聞きました。苦しい状況にある親の皆様は、先ほどもお話ししたとおり、様々な行政へのアプローチが徒労に終わることがあることから、自分たちは行政に置き去りにされていると感ずることがあるようです。休みの日ではありましたが、担当する所管事項は本件以外にも多数抱える中で、担当課長として一人足を運び、ややもすると激しい反応にさらされるかもしれない中に飛び込んで話をじかに聞く姿勢は、まさに現場の声を大切にし、寄り添う姿であります。親の皆様に評価されているところでありますが、次は、その声を踏まえて実態調査をさらに深め、行政の措置として必要なものを実現する、そのことが県として求められているのではないかと思います。このことを申し添えたいと思います。 やまがた新電力の経営状況と対応についてお伺いします。 物価高騰が止まりません。ウクライナへのロシアの侵攻や為替などによるものでありますが、飲食業従事者によれば、昨年の二倍の電気代になっているとの声が聞こえてまいります。 電気代の高騰に関連して、新電力の事業の停止が問題になっています。これまで低い価格で電力を提供していた新電力の事業停止により、他の電力会社との契約を行うことが必要になり、従前以上に高い値段で電力を購入せねばならなくなった事業者が多数います。 この新電力については、山形県が三分の一を出資する株式会社やまがた新電力があります。やまがた新電力は、事業の停止には至っておりませんが、新規契約は停止しているとのことであります。同社の決算における純損失は、令和二年度が約二億二千三百万円、令和三年度は一億六百万円と、二年連続の赤字を計上したことが常任委員会でも議論されております。 民間の新電力が軒並み契約を停止し、事業から撤退している中で、やまがた新電力が赤字を続けていることから、売先から「この先事業を継続できるのか」との声が聞こえるばかりでなく、県民からも、「やまがた新電力が負債を累積し事業を停止せねばならなくなったら県の予算を投入することになるのではないか」との声が聞こえてきます。 このやまがた新電力の売先について見ますと、令和四年十月末現在で、県有施設百十四、国・市町村施設が八十二、民間施設が八十二で、四割が県有施設、国・市町村を含めた公的な機関で七割となっています。これまでの東北電力と比べ、県有施設が電力を安く買っていることも考慮すれば、県として利益を享受しているとも言えますが、経済産業省が電力需給対策として十二月から三月三十一日まで国民や事業者等に対し七年ぶりに節電要請をしていることを考えると、電力供給が改善し価格が低下する見込みは少なく、赤字がさらに膨らむ可能性が否定できません。 既にやまがた新電力として八月に値上げをしたとの話を聞いておりますが、出資する県として、今後、この赤字の解消に向けどのような対応を考えておられるのか、そして、顧客は安定した契約を求めていますが、事業の継続についてどう考えておられるのか、
環境エネルギー部長の答弁を求めます。 木造住宅耐震改修補助事業に関連しお伺いいたします。 年が明けますと、現在の我が国の様々な震災対策の基本となる元となった阪神・淡路大震災の日がやってまいります。阪神・淡路大震災を契機として、災害時要援護者避難支援、避難所の整備、自主防災組織の結成、防災士制度の新設等、多くの現在に至る対策が生み出されてきました。 阪神・淡路大震災の教訓の一つが建物の震災対策でありました。建物の密集する都市型の地震で、早朝発生のために逃げることができず、建物の下敷きになって亡くなられた方々が極めて多い地震で、死者の約九割が家屋、家具類等の倒壊による圧迫死であったとの統計があります。被害に遭った建物の多くが一九八一年以前に建設されたものであり、この年を境として耐震性に大きな差があることが指摘されています。 現在も、この教訓から、住宅の耐震化のための補助事業が推進されています。耐震診断補助事業について、例えば山形市の場合、百平米以上の住宅であれば自己負担一万五千円で、通常かかるであろう十五万円程度の診断を実施してもらえることになっています。また、耐震改修については、耐震改修費用が百八十万円以上であれば上限百万円まで補助が受けられる制度です。 大変魅力的な補助ではありますが、耐震改修については、家全体の耐震化が前提であり、一部分の耐震化については対象とならず、耐震シェルターや防災ベッドの設置や住宅リフォーム事業に促されるとのことです。住宅リフォームでも、屋根の軽量化や筋交いの設置などにとどまるため支援金額が十分でなく、耐震診断から耐震改修事業には至らない例が多数のようです。実際に、昨年度耐震診断五十六件に対して十五件しか耐震改修の実績がありません。 なぜこの耐震診断と改修事業着手への差があるのか。利用しようとしている方が耐震改修に進まない、ちゅうちょする理由を少しでも除去して、家全体でなく、一室でも耐震改修が行われることで助かる命があるのであれば、それが可能となるような柔軟な制度に改めていくことが必要ではないですか。 山形県は住宅政策が進んでいると言われています。やまがた健康住宅の取組などの独自政策は高く評価されており、また、利用したいという方が多数です。こうしたこれまでの山形県の先進的な住宅政策をさらに進め、耐震改修事業についても県独自の判断で対応する姿勢を貫いていただきたいと思いますが、耐震診断から耐震改修に進まない理由の分析を含め、隙間を埋める耐震改修事業の新設について、県土整備部長の御答弁をお願いいたします。 県の令和五年度予算について、先般要求概要が発表されました。本年三月の令和四年度県予算案の審議に当たり、撤回と再提出という過去にない事例があったことを思い起こしております。その発端は、サクランボをはじめとする県産フルーツの情報発信の拠点となる施設の整備でありました。 当時の議論を振り返りますと、サクランボを筆頭に山形県のフルーツに関する情報発信については重要であるが、それを行う施設を県の予算二十五億円をかけて建設することは適切なのかという議論であったと思います。 当該部分の予算は撤回されましたが、県として情報発信の必要性を一貫して主張し、六月定例会においては、やまがた紅王デビューや山形県におけるサクランボ栽培百五十周年という目玉となるチャンスが到来する中で、情報発信の強化は論をまたないという趣旨の答弁がなされています。 その後も、九月定例会においてPR協議会の設置やイベント準備の予算が計上されるとともに、実際に山形に訪れてフルーツを楽しんだり学んだりしてもらえるよう、既存施設の有効活用や民間事業者が様々な事業を展開できるような取組を検討する旨の説明がなされました。 これらの議論を踏まえながら、定例会冒頭に県より示された令和五年度当初予算の要求概要を見ますと、九千二百万円の予算を要求し、やまがた紅王の本格デビューに向けたプロモーションやPR協議会の運営経費を考えておられるようですが、拠点整備については記述がありません。 情報発信のための取組の検討状況と考え方について農林水産部長の御見解を伺います。 なお、二〇二五年は、サクランボ百五十周年であると同時に、大阪・関西万博の年でもあります。大阪・関西万博の事務局から説明を聞く機会がございましたが、民間と連携する情報発信の方針を定めるということは、万博からの観光客が山形に回遊してきて山形のフルーツに接するよう導く、そして山形県に回遊してくる全世界の皆様に山形県を売り込む戦略として極めて重要と考えます。そのためにも、来年度予算における対応についてもしっかり考えていただければと思います。 今年も冬がやってまいりました。先日、蔵王温泉に寄る機会がありましたが、ゲレンデには雪が積もり、十日にはスキー場開きとなります。スキー場、温泉場も新型コロナの影響は大きく、スキーシーズンピーク二月の温泉宿泊者は、二〇一八年で三万六千九百七十三人であったのに対し、二〇二一年は二万一千八百四十九人と大幅な低下となっていると蔵王温泉観光協会より聞いています。 政府や県、市が行う宿泊支援事業等により、少しずつですが回復してきており、新型コロナ以前のにぎわいを見せる状況になればと思います。蔵王は県内随一の観光地であり、蔵王スキー場は世界的にも有名であり、県としてその価値を高めていくことが必要です。 一方で、人口減少により、スキーやスケート等に親しむ方々が減少しているということもあり、競技としてのウインタースポーツにも影響を及ぼしているようです。令和二年の冬季国体は天皇杯で四位であったのに対し、令和四年は十三位と振るわず、国民体育大会全体の県の順位に影響したとの報告を聞いております。特にスケートの成績がその要因と聞いております。本県で開催される
国民スポーツ大会冬季大会を令和六年に控えて、危惧する声が聞こえてきます。強化費について、一年目に八百五十万円、本年度は二千万円。来年度当初予算で四千万円の予算を要求し選手の強化を行うとのことでありますが、選手の育成は時間がかかるものであり、一朝一夕にできるものではないと理解しております。 既に開催が決まっている令和六年の
国民スポーツ大会冬季大会には、予算を十分に活用してしっかりと対応していただくことが必要ではありますが、むしろ中長期的な観点から選手の養成やウインタースポーツの在り方を考えていかなければならないのではないかと思います。 選手の育成は、競技者、指導者、施設、訓練、支援者といった要素がきちんとそろうことで進むものと理解していますが、まず施設についてお伺いします。 十月に第二回屋内スケート施設あり方検討会議が開催され、議論が行われているとの報告を伺いました。来年には一定の方向性が出るとのことでありますが、検討会議の現在の検討状況、そして今後の報告の予定と県としてのその後の対応予定について、みらい企画創造部長にお伺いいたします。 昨日の代表質問で、同僚議員より、一般財団法人日本総合研究所による「全四十七都道府県幸福度ランキング二〇二二年版」で山形県は七位と高い位置にあるとの話がありました。大変喜ばしいことであります。本件に関連して、その他の調査についても知事より答弁がありました。 他方、知事の答弁にはありませんでしたが、ダイヤモンド・オンラインの「地元愛が強い都道府県ランキング」では、山形県は二〇一九年に三十一位でありましたが、二〇二〇年には四十位に後退しているといった統計もあります。 幸福度ランキングが山形県が十位であった二〇一八年の日本総合研究所の評価・分析が公表されており、これを見ますと、健康や文化の面で高い指標を示す一方で、仕事、生活、教育が低位を占めるという特徴を有していると分析し、教育分野について、「将来世代の人材育成を重点的に行うことが必要」とし、教育分野の改善が提言されています。 山形県は、教育の一環で郷土愛を育むための施策を行っています。地元愛、郷土愛は、やはり山形県の風土を生かした人づくりの中でこそ育まれるべきものだと思います。 私ごとになりますが、小・中学校でのスケート、スキーの授業が原体験となり、東京に出てからもウインタースポーツを仲間と楽しむ契機になった、そして、ふるさと山形を感じ、思い起こし、誇りに思う契機になったと思います。 県立高校でのウインタースポーツに関する状況はどうかと尋ねましたところ、県立高校でのスキーの授業は、令和四年度は二十一校の予定と聞いていますが、スケートに至っては、普通科で行う予定があるのは山形南高等学校のみとのこと。優秀な選手を輩出している山形中央高校は、体育科では行われているが普通科ではスケートの授業が行われていないと聞き、驚きました。先ほど申し上げた競技者の中長期的な観点からの育成という点に併せて、郷土愛を育む措置としても、このウインタースポーツを重視するべきではないかと思います。 現在強化費として別枠で計上されている予算は一時的なものであり、
国民スポーツ大会が終われば、その強化費はその他の強化費と合わせたものに戻ることになるでしょう。競技人材の裾野を広げ、また同時に郷土愛を育んでいくためにも、ウインタースポーツに関する選手育成費、ウインタースポーツに係る授業の予算を県予算において別枠として扱うこと、そして高等学校におけるウインタースポーツの授業の増加及び現在自己負担で行われている経費を県予算で負担することを検討すべきではないですか。 教育長の御答弁をお願いします。 次に、弾道ミサイルの脅威から県民を守る避難施設についてお伺いします。 北朝鮮は、度重なる弾道ミサイル実験を行い、我が国に対する脅威となっています。まずもって、国連安保理諸決議に反する北朝鮮の行為に最大限の怒りをもって抗議し、中止を求めます。 この事態に関連して、山形県では、二〇一七年に酒田市西荒瀬地区で行われた訓練に引き続き、先月二十九日に寒河江市南部地区において避難訓練が行われました。先月三日、北朝鮮によるミサイル実験が行われ、県内に警戒警報が発令された際の市民の反応は、「一体どこに逃げるのか、地下施設はない」といったものが多数でありましたが、訓練は非常に重要なものであり、県の引き続きの訓練の取組を期待したいと思います。 避難所については、弾道ミサイル攻撃に際しての緊急一時避難施設を県として二百八十か所程度増やし、合計八百四十八か所としたとのことであります。どこが避難所なのか、周知が課題ではありますが、しっかりと整備していくことが重要と考えます。 もう一つの課題は、多くの県民が感じたように、この避難所の抗堪性を図っていくことだと思います。 今、政府は、国家安保戦略、防衛大綱、中期防の安保関連三文書の改定に着手しており、間もなく発表されると思いますが、県民を守るための避難所の強度を高めなければなりません。そのためには、避難所のコンクリート化や地下化が必要になります。この抗堪性のある避難所の設置、あるいは既存の避難所の強化について、県独自の対応もあり得ることではありますが、国防、民間防衛に関わる事項であり、国が責任を持って財政的支援をしながら取り組まなければならない事項であると思います。 安保関連三文書改定や予算などの今後の動きも見据え、県としても、知事会等を通じ、国に対して責任ある対応を求めていくべきと考えますが、今後の県の対応方針を防災くらし安心部長にお伺いします。 最後になりますが、八月三日の豪雨災害に際しての県の動きについて、特に自衛隊への災害派遣の要請と自衛隊の現場での対応が極めてスムーズに行われたことについて、その後の静岡県における災害時の自衛隊への要請が遅れた対応と比較され、大変高い評価を受けています。 災害派遣は、各市町村の枠を超えた広域対応が必要であることから、市町村長に自衛隊への派遣要請を行う権限を下ろしておらず、知事の権限として自衛隊法第八十三条第一項に規定されています。 県民の生命と財産を守る護民官としての役割を果たす県知事におかれては、様々な事態に対し、平時においては準備怠りなく、有事にあっては地域や国との連携でしっかり対応する姿勢を貫き通し、引き続き先頭に立って指揮していただきますことをお願い申し上げ、以上、私の一般質問とします。ありがとうございました。